« 応募に関するあれこれ。 | トップページ | 黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(22) 13日金曜日 »

ABAの殺人(承前)

GoShuです。

最近、通勤電車の中でアシモフの長編ミステリ『ABAの殺人』を読んでいます。……

もし超人的に記憶力の良い方がおられたら、「おまえずっと前にも同じことを言ってなかったか?」と言われるかもしれません。

まったくそのとおりです。

諸事情で、いったん中断して通勤中は別の本を読んでいたので、長引いております次第です。

で。

失礼ながら、突然ここで話題を一時転換いたします。

サントリーミステリー大賞で、第二回大賞を『運命交響曲殺人事件』で受賞した、由良三郎という作家がおられました。

この方のエッセイ作品に、『ミステリーを科学したら』という名作がございます。

著名なミステリについて、トリックが科学的に正しいかどうか、ということを論評するエッセイを主に集めた作品です。

この方は本名を吉野亀三郎といい、東京大学ウイルス研の教授でした。だから医学的見地から論評されているものが多いです。

だからといって堅苦しい作品ではなく、この方は江戸っ子でもあったようなので、ユーモアあふれた歯切れのいい口調でつづられています。

また、科学的にはNGであっても、ミステリならば許される場合があるだろう、正しいだけが能ではない、という立場を取られてもいます。

だから全体として、非常に楽しく読める本です。

未読の方はぜひご一読をお勧めいたします。

そして、この作品は、全部が科学的見地からのミステリ論評で占められているわけではなく、ミステリにからめた普通のエッセイもあります。

その中に、作者が留学していたときの経験談がありました。

ホームパーティに招かれて出席したときのことです。次から次へと人に紹介され、相手の名前が憶えられず四苦八苦していると、周りはみんな普通の顔で自分の名前を呼んでくることにガクゼンとする、という内容です。

しかし、別に皆頭がものすごくよいわけではないことがだんだんわかってきます。その場で憶えることができるだけ。つまりそれは習慣で身についた技術なのだろう、という結論になります。(今手元にこの本がないので、ニュアンスに異なる点があったらお詫びします)

そこで作者がハタと気がついたこと。

海外ミステリで、ほとんど名前だけの紹介レベルで登場人物が次々出てきて、憶えきれないことがよくあった。それはこのような習慣に基づいて構成されていたためであろう、というものです。そこでミステリとつながるんですね。

私もナルホド、と思いました。

で。話は『ABAの殺人』に唐突に戻ります。はい。戻ります。

この作品、次から次へとやっぱり人が出てきます。出版社/書店の集会が舞台で、主人公が出会った知人と次々に話す、という構成になっています。

なにしろ章タイトルが全部人名になっているほど。

名前だけ、というわけでは全然なく、それぞれに特徴的な人物が描写されるのではありますが(そしてその描写が大変面白いのですが)、真ん中くらいまではあまり事件らしい事件もなく、集会の描写が続きます。

そういう作品で。

1月近く読むのを中断していて。

そして私は日本人で。(そうそう!)

そうすると、こうなってしまいます……

ヘンリエッタ・コーヴァスって、誰だよ!

もうちょい読むのには時間がかかりそうです。

|

« 応募に関するあれこれ。 | トップページ | 黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(22) 13日金曜日 »

アイザック・アシモフ」カテゴリの記事

ミステリ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1293148/33733783

この記事へのトラックバック一覧です: ABAの殺人(承前):

« 応募に関するあれこれ。 | トップページ | 黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(22) 13日金曜日 »