その質問の衝撃は
過日、ある方と黒後家蜘蛛の会についての会話をした際、
「例の『あなたは何をもってご自身の存在を正当としますか?』という質問はどれくらいショッキングな、普通でないものなのか」
という話題が出ました。
この質問はもちろん、黒後家とは切っても切れない関係で、ひとつのトレードマークになっています。
原作を知らないで贋作集を読んでくださった方から、「あれってアメリカではよく使うんですか?」という質問をいただいたこともありました。
結論からすれば、ちょっとした悪いいたずらみたいなもので、決してメジャーな質問ではないと思われます。
しょっちゅうお互いに相手の存在意義を糾問しあってたら困りものというもんだ。
しかし、贋作を書くにあたっては、ちょっと別の問題があります。
さて、「贋作上では、どのようにゲストに応対させればいいだろうか?」ということです。
私の感覚としては、原作ではけっこうこの質問はゲストにスルーされるのです。
ただ、贋作でスルーしまくってたら物足りないというものですし、逆に全作品でとまどったり怒ってたりでは逆にうるさいというものです。
で、「原作ではこの質問はどのようにゲストに受け止められたか」をまとめてみました。(1~5までの60話を対象)
表がデカくてわかりにくいですのでサマリーをしますと、
1.そもそも、半分近い26話では、この質問は発されない。
2.残り34話のうち、半分の17話では、何事もなかったように普通に答える。
3.9話では、ちょっと笑う程度の反応。
4.とまどったり、きょとんとするなど、質問に対して特異な反応をするのは8人だけ。
結論としては、私の感覚と近かったということになります。
原作で毎度毎度驚かせては逆に芸がないということになってしまうので、まあこんなものかな、という感じです。
贋作でもまあ、毎度毎度驚かせないほうが安全、というところでしょう。
再度表を眺めると、最初のうちはこの質問がないことが多いことに気付きます。
初期の頃はいろいろ試行錯誤をしていた、ということもあるでしょうし、後期は型に嵌めてあまりいろいろ工夫を凝らさなくなった、という印象も受けます。
この質問のことにに限らず、初期作品のほうが融通無碍な面白さを感じますしね。
しかし、半分近くこの質問がないのは私もちょっと意外でした。
トランブルの「死にかけた男にソーダ割りのスコッチを頼む」が原作で2回しか出ていないことは前にも書いたことはありますが、出現回数の割に印象が強い事象というものはやっぱりあるようです。
さて。
まあ、四方山話も悪くはないのですが。
次回は……いい知らせをお届けしたいと思っています。
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