ミステリ

黒後家のランキング 2

前回の続きのようなもので。

先月twitterにて、松井和翠さん(‏@WasuiMatui2014)という方が、「短編オールタイムベスト・国内編/海外編」を選ぶ、という企画をしておられました。

投票者は特に制限なし。自分がよいと思う10作品を選んで投票する、という形でした。百数十人程度の方が投票したようです。

贋作集第一回に参加してくださった深緑さんも投票なさった模様。

この松井さんという方のすごいのは、国内編、海外編それぞれのベスト100作品で、未読の作品はただい1作ということ。なにしろ「オールタイム」ですので、ちょっと信じられないレベルです。わたしなんぞは半分も読んでない。

国内/海外それぞれの50位までの結果は以下のとおりです。

https://twitter.com/WasuiMatui2014/status/478496901562527744

海外編13位の場所に『会心の笑い』がありますね。

黒後家蜘蛛の会66作の中で代表作と言えばこれになるのであろうことも考えれば、これまたなかなか納得の位置です。

この表の中に入ってませんが、このほか63位に『欠けているもの』が入ってます。100位以内ではこの2作だけでした。

これが入るんですねえ。

……というのは若干トボケ技でして、『欠けているもの』に投票したのはわたしでございます。(たぶん他にお二方程度)

『会心の笑い』には入れてません。すみません。(だって他の人が入れると思ったんだもん)

この投票、1作家1作品というシバリはありません。

中には投票10作を全部同一作家にしたツワモノもおられたらしいです。

ならお前は10作全部黒後家で投票すべきではなかったかって?いやあのそれは。

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深緑野分さん『オーブランの少女』発表

GoShuです。

表題のことを書く前に、まず、今月の初めにWEB拍手をいただいた方にお返事です。
拍手ありがとうございます!レスが遅れて申し訳ございません。
作品、少しでも楽しんでいただけましたでしょうか?
復刊ドットコムさん
http://blog.fukkan.com/fukkanrepo/2010/12/post-a630.html
の話は、スタッフ間でも話題になってました。
私も、原書は買ったものの、途中までしか読んでませんので・・・ (T T)
たとえ原書で全部読んでも、池央耿さんの訳でも読みたいですし!
復刊ドットコムさん、よろしくお願いします!ですね!

さて。
東京創元社「ミステリーズ!」12月号が発売されたので、『黒後家蜘蛛の会贋作集』にシナリオを書いていただいた深緑野分さん作『オーブランの少女』を読みました。

この作品の存在を深緑さんからお聞きしたのは、「ミステリーズ!新人賞」の一次選考を通過した今年の6月初旬のことです。

通過のことをお聞きして、このようなメールの返事をお出ししました。

しかし、どこまで行くのか私も楽しみですねー。
よろしければ、また応募作を読ませてください。
ベストは、入選して誌上で読む、ですけども。

その後はこのブログにも何度か書いたとおり晴れて佳作受賞となり、半年を隔てて初めて読むことができました。
ずいぶん待ちましたが、「活字で読める」ということは文句なく喜ばしいことで、今回は「ベスト」の時を過ごさせていただきました。うれしいことです。

「オーブランほど美しい庭は見たことがない。」
という語り出しで始まる本作は、そのとおり、美しい庭を舞台にした、「少女だけの園」の物語です。
心身になんらかの病気や障害がある少女が集められたサナトリウム。厳格な館主の女性。美しい先生。喧嘩や悩みがありながらも、少女たちは平和な日常をその中で過ごしています。
しかし、そこは本当にサナトリウムなのか?
そんな中で事件が起こり……

閉じられた世界の中での少女の日常が何と言ってもうまいところで、印象に残ります。しかしもちろんそれだけではなく、後半のホラー要素も入ったサスペンスにはぐいぐい引き込まれて、ページをめくるのがもどかしくなります。
しかしそのサスペンスの中にも、前半の少女らしい感性は残っており、自然に推移していくのが素晴らしいところです。
ミステリ的要素ももちろん豊富にあり、伏線が回収されていく過程は快感があります。

審査員全員称賛もなるほど、という出来栄えでした。すばらしい。

仲間内でもあるし、ほめっぱなしでもかまわないとは思うんですが、ちょっと気になるところを挙げてみると、

・冒頭、漢字が多くて若干読みづらい。
・××が知っている情報と、少し前までは普通の生活者である△△が知っている情報に乖離がある。この乖離が自然となるような具体的なタイミングは史実としてありうるのか?
・××が○○にパンと水を与えるようにしたことが不自然に感じられる。たしかに最後はよくないが、それまではずっと良好な関係だったはずなのに。

ぐらいでしょうか。

しかし、それを差し引いてもこれは素晴らしい作品であると断言できます。
審査員桜庭一樹さんの「独特の世界観があり、悲しみと喪失感が音楽のように流れ続けて、体に、心地よい」という言葉が言いつくしていると言っていいでしょう。

付け加えるとするなら、この作品、小説というものへの強い思い入れというものが詰まっていると感じました。なかなか言葉では説明しにくいんですが、もう「小説」!なんですよ。
えらい昔のことになりますが、押井守が伊丹十三に『オンリー・ユー』を「映画じゃない」と評されて、反省発奮して『ビューティフル・ドリーマー』を作った、という話があったと記憶します。この2作、どっちも『うる星やつら』なんですが、たしかに見比べると違うんですね。どこがどうと説明はしにくいんですけど、たしかに『ビューティフル・ドリーマー』は映画だな、と映画に詳しくない私でも納得するのです。
それと同様に、『オーブランの少女』は「小説」なのです。小説書き、あるいはそれ以前に小説読みとしての魂や心意気を感じました。
そういったところも審査員に好評を受けた理由なんじゃないかな、と思うのです。

皆さまも、ぜひご一読いただければと思います!

ところでこの作品、贋作集収載の2編とは似ても似つきません。よーく読んだら類似がそこここにあると気付きはするのですが、もし作者を伏せたら同一作者と気づく人はほとんどいないでしょう。

そこは、深緑さんの幅広さを示すものでしょうね。

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『湖岸の盲点』、スクウェア・エニックスから出版。

GoShuです。

小野堂さんがいろいろ出されたところで今さらここで紹介するにもおよぶまい、と思っていましたが、出版ということであれば、深緑さんとの釣り合いからもご紹介したほうがいいかと思い直しました。

表題どおり、昨日11月22日、原作・小野堂天乃介/作画・葉山せり『湖岸の盲点 ~小此木鶯太郎の事件簿~ 問題編』がスクウェア・エニックスから刊行されました。

わたくし、昨日仕事での移動中にひょこりと途中下車し、本屋に寄ってみたのですが、どうも見当たらない。そこに現れたいなせな店員さんに「新刊だったらあっちですよ」と教えられ、そちらに行くと

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おお。赤ベースでのカッコいい表紙が降臨。すばらしい。でも常設棚にも置いといてくれよな!「ミステリーズ!」も雑誌棚にはなかったし(書籍扱いのため)。

で。内容はWEBコミック通り(同じものだから当たり前ですが)、ゲームより難しいです。

ただ最後にヒントコーナーがあるので安心。たぶんこれがなければ正答率は1%以下。わたしはヒントを読んでもしばらく意味がわからなんだ。

「読者への挑戦」の高段者を自任する向きはヒントなしでの挑戦をどうぞ。5000円の商品券が20名様に当たるということです。締め切りは来年1月5日。ケータイからでも応募可能のよしでございます。

今回も解答は自由記述か。加田怜太郎(福永武彦)が『完全犯罪』を出すとき、「自信があるから賞金を出して読者から解答を募ろう」と言ったら、編集者から「うち(発表雑誌)の購読者数から推して、解答は何千と来ますが、採点してくれますか」と切り返されて即あきらめたという故事がありますが、今回はだれが採点するのだろう。

あとは、カバーを外すとオマケが降臨。これ好き。でもカバーをなくすとなんの本なのかよくわからんようになるので注意が必要とも思った。

それにしても、今回、作画の葉山せりさんもなかなか難しい仕事だったろうなあ。

というわけで、みなさまふるってご購入&ご挑戦を。

その他の小野堂さんの最近発表作品(このところつるべ打ち)は、

http://hannin-a.sakura.ne.jp/mystery/index.html

をごらんくださいませ。

このほかにも、近日vectorから青空文庫のブラウン神父をゲーム化したものを出されるとのことです。『あしぐろ』は『現物』になってると思われます。原語は『spots』であるそうな。

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「オーブランの少女」選評

GoShuです。ごぶさたでございます。

「なにかあったら出てくる」との予告どおり、ふたたびのお目通りとなります。こんばんは。

本作品集にシナリオでご参加いただいた深緑野分さん。

この深緑さんが作品「オーブランの少女」にて、東京創元社主催「ミステリーズ!新人賞」佳作を受賞なさったのは、以前ご紹介しましたのでご承知の方も多いかと思います。

受賞からはすでに2ヶ月以上が経過していますが、先ごろ発売になった「ミステリーズ!」10月号にて選評が発表されました。

というわけで今回は、同誌を入手したのでそのご紹介ということになります。

さて。

「ご縁のある方についての選評を読む」というのは初めての経験でして、実は少々ドキドキしておりました。

ときどきあるではないですか。落選作ならいざ知らず、入選作に対して欠点を並べ立てて総がかりで叩いているようなのが。「そんなに不満なら落とせばいいじゃん」と思うような、ね。

まさかとは思うが、そういうことにはなっていないだろうな、と。

選考委員は桜庭一樹、辻真先、貫井徳郎の3先生。

なお、入選作が大良美波子さん(受賞を機に改名されて「美輪和音」さん)「強欲な羊」。佳作が明神しじまさんの「商人の空誓文」と深緑さん「オーブランの少女」となっています。

まず、桜庭先生評。

「商人の空誓文」がイチオシだったようです。

それに対して「強欲な羊」の評価は低かったようで、「「伝えたい」という熱狂的な思い」がないとして、「この作品は「誰かの物語」の死体の継ぎ接ぎである」

こっ、こえええええ ((((;゚Д゚)))

いや、不肖わたくしも、作品を公表することのなんたるかについて、最低限は心得ているつもりではありますが、 それでもこのような評言をもらったら立ち直れないかも。

で、問題の「オーブランの少女」は……

「商人の空誓文」に次ぐ評価だったようです。「選考会では、ここをこうしたほうがという意見がたくさん出た」と断りながらも、長編にして工夫すれば「カズオ・イシグロ『私を離さないで』かアザリロヴィック『エコール』のようになる」と評されています。

えー、『秘密の花園』みたいな雰囲気という感じでいいんでしょうか(見当違いだったらスミマセン)。

そして、「でもなにより、この作品の話題になるたび、選考会場の皆がやわらかな笑顔に代わり、部屋のライティングまでふっと明るくなったような気さえした」という言葉が添えられています。

いやあ、これすごいんじゃないでしょうか。こういう評って、狙ったって絶対もらえるもんじゃありません。

こういうふうに好感を受けるというのはとてつもない長所だと思います。

次に辻先生評。

開幕、剣豪のごとく、落選作を一太刀ずつで斬り払っていきます。

その後、「評者たちがほぼ轡をならべて推したのは「オーブランの少女」であった」としています。「いちばん消極的なのは、構成が割れているとしたぼくだろう。だがそんなぼくにしても、この作が醸す強烈で独特のムードには強く惹かれた」

その後「だがいずれにせよ「オーブラン」が受賞作の器でないと決まった」と、太刀はかわしたものの脇差で斬られてしまいましたが、好感をもって受け入れられていることには違いがありません。

「強欲な羊」については「“よくできている”ミステリの範疇にとどまって」いる、「商人の空誓文」については「ミステリ慣れしているつもりのぼくにも着地点がまるで読めなかった」が「文章技術が中身に伴わなかった」というように評しておいででした。

最後、貫井先生評。

「強欲な羊」が最高評点。「新鮮味がないという指摘もありましたが、ぼくは逆に肯定的に、今後も書ける人だと思いました」とされています。このあたりは見識というものでしょうね。

「商人の空誓文」は「今回は見送って技量の向上を待ちたいという意見だったのですが、強く推す人を論破してまで落とす必要も感じませんでした」

そして「オーブランの少女」は。

「物語の中に致命的な欠点があったのも事実です」「驚きのポイントが、ミステリーとしての面白さではない」という連打をもらっていますが、「これが受賞作でもいいのではないか」と評されています。

加えて、次の評言がありましたが、これ個人的にも好きです。

「今後はミステリーを気にせず面白い物語を作るのか、あるいはミステリー味をもっと濃くしていくのか、どちらに進むのか楽しみです」

「オーブランの少女」は読んでいませんが、今回の贋作2編を読んで実は似たようなことを考えていましたもので。

とはいえ、貫井先生に横槍を入れるつもりはありませんが、「ミステリー味を薄くも濃くもせず、このままで行く」という選択肢もあるのではないかなあ、とも思ったりする次第です。

以上3先生の評、厳し目なところも引用していますが、全体的には「新人に成長してほしい」という気持ちを感じる暖かい選評だと思います。こういう言い方をしてよければ、「読後感のいい選評」でした。お時間があればお手に取って全文を読んでいただきたいと思います。

というわけで、「オーブランの少女」は「全体的に好感をもって受け入れられた」作品と言っていいと思います。

ひょんなご縁をいただいた私も嬉しさのおすそわけをいただいた感じですね。

しかし、自分でない、ゆかりのある知り合いの方の選評を読むというのは独特のものですねえ。

自作に対する評だとかなり近視眼的になってしまって冷静には見にくいですが、それよりは少し客観的に見られるし、とはいえ肩を持ってしまうし、で、このような読み方をするのは得難い経験だったと思います。

今回は「そばかすはあるけど人気者の少女」を応援しに運動会に行った感じでしたが、こうなると謗られながらも一等賞を取った子も気になります。

「強欲な羊」は今号に掲載されています。

美しく派手でわがままな姉を、清楚でつつしまやかな妹が殺した容疑で逮捕された。少女時代から二人を見ていた「誰か」が、「誰か」に向かって、これまでの二人の人生について語り始める……という小説です。

感想を書きたいのですが、さすがにこの場では不適切なので、他に譲ることにします。

「オーブランの少女」のほうは、「ミステリーズ!」12月発売号に掲載の由です。

2ヶ月後かあ。待たせるなあ。でもしょうがない、

(・∀・ )っ/凵⌒☆ チンチン

しながら楽しみに待つとしましょう。(これ「陰と陽の犯跡」で最近もやったな)

終わりに。

わたくし、2ヶ月後にはまた出てくる公算が高いですが、その間に、ひょっとしたらもう一度出てくるかもしれません。

今はまだ、出るとも出ないとも言えないのですが……

出るとしたらある程度喜ばしい話題となりますので、のんびり目にお待ち願えればと。

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寿ぎのご報告です!

GoShuです。

本日はまず寿ぎと喜びのご報告をさせいただきたいと思います。

以前にも何度か本日誌ほかでご報告させていただいておりますのでご承知かと思いますが、本作品集のシナリオご執筆者の中に、「深緑野分」さまという方がいらっしゃいます。

この深緑さまが!先日発表になった

東京創元社主催「第7回ミステリーズ!新人賞」

におきまして、佳作入賞をなさいました!

制作過程におけるやりとりの中でこの件についてもお話しさせていただいておりまして、

「二次選考に残りました」「おお!」

「最終選考に残りました」「おおお!」

という感じだったのですが、このたびめでたく入賞という結果となり、ご縁をいただいた私も等しく喜びとするところであります。

まだ皆さまには深緑さんシナリオはご覧いただいていませんが、ますます楽しみにしてくださいませ。

あらためまして、おめでとうございました!

本来であればもっと多弁を弄し、かつ顔文字やら文字装飾やらをもっと施してお祝いしたいところだったのですが、「あまり派手にはせずに」というご本人のご意向がありましたためにジミ目にご報告させていただきました。

次の一言をもってご報告は終了させていただきたいと思います。

「深緑先生のノベルゲームが読めるのは、『黒後家蜘蛛の会贋作集』だけ」

(キャッチコピー作成/小野堂天乃介氏)

さてさて。

前記事で書いた「サプライズ」の一つが実は上記のことでした。前記事執筆時点においてはまだ最終結果が出ていなかったのですが。

よい流れになっておりますので、他のサプライズもよい方向に進むよう。

そして最大のサプライズが作品の出来になるよう。

引き続き制作を行いたいと思います。

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黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(46) 赤毛

GoShuです。

おお、小野堂さんから昨日の記事にコメントが来ている。ありがとうございます。

謎中心ですか。なるほど。その表現のほうがよろしかったですかねー。

「上手な文章」というのは正直よくわからないです。確かにときどき魔術のようにうまい文章を読むことはありますが。(昔、島田雅彦氏の文章を読んだときにそう思ったことがあります。遺憾ながら、作品名は忘れてしまったのですが)

とりあえず、読みやすく、かつ自分の思っていることが伝わればまずはそれでいいのかな、と思っています。それでも決して簡単なことではないですので。

それ以上は自分で望んだこともないので、よくわからない。

さて、今日は眠いので失礼ながら箇条書きで。

・実はシナリオは、レジュメをまとめているだけで、一行も書いてませんでした。本日、「よし!これだけまとめればOK!」と思ってやっと書き始めました。

しかし、なんということか、一行目をどう書くか考えておらず、そこで10分ほど固まったのは機密事項です。コードネーム:アイン。

・アメリカのサイトで、黒後家蜘蛛の会の二次創作を見つけました。「これは英語のメールを書いて、収載してもいいかお願いするところだね!」と思ったのですが、よくよく見ると、TVドラマとのクロスオーバー作品であったようでがっくり。

それではちょっと載せにくいかなあ、という感じです。ちょっとがっかりしたので途中で読むのを中断してますが、また改めて読んでみようと思っています。

・業務連絡その2。執筆中の私のシナリオに関係の深い某様(no name様ではありません。深緑様でもありません)。メール差し上げておりますので、もし未確認でございましたらチェックをお願いいたします。

というわけで、スコッチのソーダ割りを飲みつつお届けしました。

今日はジョニーウォーカー黒ラベル。

(実は、「スコッチ」「ソーダ割り」は、本ブログに来られる方の検索ワードとしてはベスト5に入る人気です。あ、それから、上記アメリカの二次創作でも、「死にかけた男にスコッチのソーダ割りを頼む」は登場してました。みんな好きなんですねー。)

それではおやすみなさいませ。

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黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(44) 四月の月曜日

GoShuです。

表題は、まあ、日付が変わって月曜になったので。四月じゃないですけど。

さて、いろいろとやることがてんこ盛りなのですけど、「忙中閑あり」などとつぶやきつつ、

アガサ・クリスティー展

に行ったりしてました。

まあ、ミステリにおけるアシモフのアイドルだったということで。

同展では、若いころからの写真や、創作メモ、新聞記事、それから愛用のタイプライターなどが展示されていました。

クリスティーの写真としては、こちらにあるような、美しく気高い老婦人、といったものが広く流布していますが、実際の晩年の写真の多くは、なんというかもっと親しみやすい表情のものが多かったですね。(女性の容貌について云々するのは下郎の仕業で、たいへんあいすまぬところなのですが)

いくつかの写真は、映画やドラマで見たどの女優よりも、私が持っていたミス・マープルのイメージに近かったです。

そもそも、クリスティーのお祖母さんがマープルのモデルなのだから当然と言えば当然なのかもしれませんが。

今にも編み棒を振りながら、「おまえ、それが間違いなんですよ。人間なんて、本当のところはみんな似たり寄ったりなんです」と言いそうでした。

創作メモは、60年代以降、中期~後期にかけてのものが多く、私はそのほとんどが未読だったのが残念でした(不勉強の罰だ)。

ちょっとおもしろかったのが、創作メモの各行の先頭に、下のような変な形の記号が頻出していたこと。

Kigou

なんじゃこれ、と思ってよく読んだら、これは"P"なんですね。

つまりポワロを意味しているようなのです。

ポワロがどうするこうする、というときには、この一文字で済ませていたらしいですね。

会場には本人による「自伝」の朗読が流れたりしていて、なかなかに雰囲気のある展示会でした。

さて、展示会を見ていただけではなく、それなりに制作に関わる活動も本日はしておりました。

ミステリの守護聖人の一人の姿や声に接して、背筋を伸ばして進めていきたいと思います。

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黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(39) 運転手

GoShuです。

本日はほぼ外出していたのですが、昨日は新シナリオの骨格を考えておりました。

まだ具体的な内容が決まっていない部分も多々あるのですが、前作『婚約者』同様、黒後家的なパズルストーリーというよりも、背後の人間ドラマ的なものを重視したものになりそうです。

まあ、こればっかりは適性というものですのでね……

よしあし以前の問題と割り切るしかなさそうです。主宰みずから割り切ってしまってますが。

とはいえ、以前からこの日誌でも何度も強調しておりますとおり、応募者の皆さまにおかれましても、皆さまそれぞれの『黒後家』観を重視したものにしていただきたいとは思っておりますので……

そしてそれが作品集を肥沃なものにすることにつながると思っておりますので……

皆さまもどうか、皆さまの書きたい『黒後家贋作』を大事にしていただきたいと願う次第です。

私の話に戻りますと。

そもそもサンプル第三版のあとがきにも書かせていただきましたが、アガサ・クリスティーの『クィン氏の事件簿』が好きで、しかもミステリ的な色合いの低いもののほうが好きだ、という人間ですので、パズルストーリー的にならないのはある意味仕方がないところかもしれません。

もし未読の方がおいででしたら、『クィン氏の事件簿』は強力にお勧めしたい作品でございます。短編集です。

クリスティーが同作のまえがきで書いているところでは、自分で好きなのは『海から来た男』『世界の果て』『ハーリクィンの小道』だそうですが、これは私の好みとまったく一致します。

個人的には、上記3作に加えて第一作の『クィン氏登場』も大変捨てがたく思いますが。

私の好きな4作のうち『世界の果て』以外の3作は、あえてミステリ的な言葉で言えば、すべて「動機探し」と言ってもいいかもしれません。

『クィン氏登場』は自殺した男の。

『海から来た男』は最後で明らかになる人物の。

『ハーリクィンの小道』は、クィン氏とサタースウエイト氏の。

それぞれ動機が明らかになる物語と言えるのではと思います。

「動機」と言っては軽くなるかもしれませんけどね。

というわけで、クィン氏の話ばかりして申し訳ありませんしたが、制作に戻ります。

そういう人間の書くシナリオとなりますが、よろしければお楽しみになさっていただければうれしく思います。

時間としては「ぎりぎりかなー。アブないかなー」という感がありますが、なんとか前に進めたいと思っております。

最後になって申し訳ございません。

以前の日誌でも申し上げましたが、アンケートへのご協力ありがとうございます!

現在、こんな感じになっております。

  • 読み専っす。:20票 (74%)
  • 作品以外で手伝いたい。 :1票 (3%)
  • 時間があれば、作品を送りたい。 :6票 (22%)
  • すぐに作品送るから待ってろ! :0票 (0%)
  • 本日、「作品以外で手伝いたい」の票を入れていただいたようで、大変うれしくありがたく思っております。

    どんな形であれ、よろしくお願いします!

    もし、ご要望/ご質問等がございましたら、何であれ、主宰のほうまでご連絡いただければ幸いです。

    また、「読み専」票を入れていただいた方も、贋作集を楽しみにしてくださっている方と思いますので、そのご期待に沿うよう、がんばっていきたいと思います。

    それでは。

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    黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(36) 不毛なる者へ

    GoShuです。

    別サークル様ではありますが、本企画ともゆかりの深いサークル様であられるところの安楽椅子犯人様。

    その第二作品、『三つの謎宮』が昨日、「読者への挑戦」の応募締め切りとなられました。

    挑戦に応じられた方々、おつかれさまでした。

    今回はサークル処女作であるところの前作『湖岸の盲点』よりも難しかったらしく、半分近くまで応募数が減ったらしいということです。

    たしかに私も前作より難しいと感じましたし、WEB上で見られる挑戦者の感想も

    「オワタ \(^o^)/」

    「わかんねーよコラ」

    「わかりません (T T)」

    「ダメだな (`▽´)y~~  ハハハ」

    と、喜怒哀楽交えたギブアップの弁が多数見られました。

    「解ける“読者への挑戦”」(=いたずらに難解にはしない)という、私が尊敬してやまない企画ポリシーを持つ作品としては、少し残念なところもあるのかもしれませんね。

    締め切り直前まで、本ブログにも『ひとひらひらら』という検索ワードでおいでになる方がおられたようで、正解に辿りつかれたかなあ、と少しだけ心配になったり。

    そこで、解決編発表前に、そのような方のために、私から一点爆弾発言をいたします。

    これは確かな論拠があって申し上げますので、解決編発表前に自分の解答が合っているかどうか知りたい、という方は、私の言うことと一致しているかどうかをご確認ください。

    よろしいですか?

    「“ひとひらひらら”の犯人は萩坂です」

    さて、ひるがえって本企画について考察いたしますと。

    応募作品が「必ず解ける」ものかどうかは保証の限りではありません。

    なぜなら、原作『黒後家蜘蛛の会』自体が、「解けない」ものが多いからですね。

    『黒後家蜘蛛の会』の特徴として巷間言われているものは、以前にも申し上げましたが、

    ・安楽椅子探偵物

    ・多重解決物

    などがありますが、それと同じくらい、

    ・英米文化のことを知らなければ謎が解けない

    というものがございます。

    具体的には、「英米文学」「西欧史」「アメリカ政治史」「英語そのもの」などを知らなければ解けない、というものですね。

    代表的なものとしては、

    『史上第二位』(第3集)

    『ミドル・ネーム』(第3集)

    『不毛なる者へ』(第3集)

    『六千四百京の組み合わせ』(第4集)

    『よきサマリア人』(第4集)

    『四月の月曜日』(第4集)

    『同音異義』(第5集)

    『三重の悪魔』(第5集)

    『静かな場所』(第5集)

    くらいですかねえ。

    まず英米文化圏以外の人には解けないでしょう。

    「いや、『殺しの噂』や『東は東』や『ロレーヌの十字架』だって解けまい」と言われるかもしれませんが、あくまで私見で「文化依存度が高い」と思うものを挙げさせていただきました。

    (なお、私はWEB上で、『殺しの噂』をヘンリー登場前に解いた、という方の文章を読んだことがあります)

    実は、上記のことを考えて、原作各作品の「英米文化依存度」をリスト化しようかなあ、と今日思いついたのです。

    それは、イコール「日本人には解けない度」を示すものであり、であれば未読の方へのガイダンスになるやもしれん、と思ったんですね。

    ただまあ、ですねえ。

    ひとつは、上記のように、その度数は恣意性が入ること。

    そして、上記の作品の中にもあるように、「英米文化圏の人」にも解けないであろうものが多数あること。「難解」「コジツケ」という別の要因ですね。

    というような問題があることから、「解けない度」のガイダンスとするならば、少し考えてから作ったほうがよかろうな、と思った次第です。

    時間があったら作るかもしれません。

    というわけで。

    えー結論。

    そういうわけなので、安楽椅子犯人様作品と違って、黒後家蜘蛛の会贋作は、解けないものもあったほうがそれらしくっていいように思います!(言い切ってしまう)

    モチロン、解けるものも大歓迎募集でございますけど。

    黒後家蜘蛛の会贋作にとって、大事なことは別にありますよね。

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    検索ワードなどあれこれ

    GoShuです。

    昨日今日はメールをいくつかやりとりしたくらいで、あまり動きもなかったので、本日はよしなしごとを。

    このブログ、ココログ様を使わせていただいてますが、アクセス数やアクセス時間が後から確認できるのと合わせて、検索エンジンからおいでの方については、どのような検索ワードをお使いになったかが分かるようになっています。

    それを見るに、『黒後家蜘蛛の会』や『アシモフ』でおいでになる方はほとんどおられなくてですね。

    『逆転裁判』

    とかのほうがずっと多いです。

    中には、「後家殺し イラスト」などというワードでおいでになる方もおられて、これは以前イラスト参加のマルチヴァクさんをご紹介した記事が

    黒後家蜘蛛の会贋作集日誌(17) 殺しの噂

    だったせいであろうと思われますが、こういうときは申し訳ないような、痛ましいような心持がいたしますです。

    他にも「藤子・F・不二雄 ドラえもん 制作秘話」で来られた方もおいででしたが、ためしにGoogle検索すると、結果上位に本ブログが出てくる(一時は一番上!)など、仰天するようなこともございます。

    で、なんといっても、特に今月に入って多いのが、「安楽椅子犯人」「三つの謎宮」などでおいでになる方ですね。

    本企画の主宰者代表である小野堂さんの別参加サークル「安楽椅子犯人」(リンクは右サイドバナーからどうぞ!)の新作『三つの謎宮』は反響大でいらっしゃるようで、それがこちらにも出てきていると思います。

    もしかしたら、おいでになる方には、同作のヒントを求めておいでの方もおられるかもしれないな、と思うのですが、残念ながらこちらにはそういうものはありません。

    こちらは安楽椅子犯人様とは関係がないサークル/企画ですので。申し訳ございません。

    代わりにと言ってはなんですが、前作『湖岸の盲点』で全題正解した、不肖わたくしGoShuが、正解を導くコツを3点、伝授差し上げたいと思います。

    第1点。

    問題編で、「これは重要な情報かも??」と思うことがあったら、即セーブする。 (セーブは右クリックメニューからできます)

    ※ 第2点は2013年ごろに発表の予定です。お楽しみに!

    あー、まだ『ひとひらひらら』読んでないんだよなー。早く読まないと……

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